サウナの知識

サウナの種類|ドライ・スチーム・ミスト・塩サウナの違いと選び方

サウナの種類|ドライ・スチーム・ミスト・塩サウナの違いと選び方
しょうたろう【Tottonou 編集長】
2026年11月02日
扉を開けた瞬間、乾いた熱が頬をなでる部屋があります。かと思えば、白い霧がゆっくり流れ、肌がしっとり濡れていく部屋もある。同じ「サウナ」でも、中の空気はずいぶん違います。

先に結論を書くと、サウナは大きく、湿度が低い「ドライサウナ」と、湿度が高い「ウェットサウナ」の二つに分けられます。スチームやミスト、塩、遠赤外線といった呼び名は、その上に乗っている施設ごとの名前です。

公的な資料の分け方を土台に、違いと温度の根拠、選ぶときの手がかりを整理します。

サウナの種類は「湿度」で大きく2つに分かれる

消費者庁が2024年6月に出したサウナの注意喚起は、サウナを構造や湿度などで分けています。大きくはドライサウナとウェットサウナの二つです。施設によって温度や湿度はさまざまで、サウナ室の多くは室温50〜100℃に設定されている、としています。

同じ資料の脚注では、ドライサウナを「湿度が低いサウナ」としています。代表に挙げているのは、遠赤外線で直接体を温める遠赤外線サウナです。ウェットサウナは「湿度が高いサウナ」で、温かい霧を室内に充満させて温まるミストサウナなどがある、としています。

図のドライサウナの「銭湯や温泉施設で多く見られる」は、ヒーターで空気を熱するサウナ室のことです。同じ資料が、日本の入浴施設で多いドライサウナとして、その構造を紹介しています。
ドライサウナとウェットサウナの比較図。ドライサウナは湿度が低く、遠赤外線サウナが代表例で、銭湯や温泉施設で多く見られる。ウェットサウナは湿度が高く、温かい霧を満たすミストサウナなどがあり、スチームサウナもこちらに入れて紹介されることが多い
ドライサウナとウェットサウナの比較図。ドライサウナは湿度が低く、遠赤外線サウナが代表例で、銭湯や温泉施設で多く見られる。ウェットサウナは湿度が高く、温かい霧を満たすミストサウナなどがあり、スチームサウナもこちらに入れて紹介されることが多い
一方で、スチームサウナや塩サウナの定義や温度の基準を示す公的な資料は、調べた範囲では見つかりませんでした。

厚生労働省は、自治体が条例をつくる指針として「公衆浴場における衛生等管理要領」を示していました(平成15年の通知の別添。最新は令和2年改正)。そのサウナ室の項目にも、種類ごとの温度は書かれていません。

要領では、サウナ室には利用基準温度を表示し、温度計を置き、必要に応じて湿度計も置くこととしています。何度の部屋かは、施設が決めて表示するものです。
種類ごとの違いを表にまとめます。温度の欄のかっこ内は、数字の出どころです。
種類湿度温まり方温度について
ドライサウナ低いサウナヒーターで室内の空気を熱するヒーター式は高めのことが多い。100℃前後(医師の取材記事)
スチームサウナ高い蒸気を室内に満たす(一般的な説明)低め。40〜60℃前後とよく紹介される(通説)
ミストサウナ高い温かい霧を室内に満たす低め。60℃前後(医師の取材記事)
塩サウナ施設による置かれた塩を肌にのせて過ごす施設によって違う(公的な基準なし)
遠赤外線サウナ低い遠赤外線で直接体を温める低めと紹介されることが多い(通説)

ドライサウナ|日本の施設で多く見られる、乾いた熱のサウナ

銭湯や温泉施設で多く見られるのは、ドライサウナに当たるサウナ室です。注意喚起でも、日本の入浴施設で多いサウナ室として、その構造を紹介しています。

息を吸うと、乾いた熱が鼻の奥まで届く。肌の表面はさらりとしていて、しばらくすると汗が玉になって浮かんできます。ドライサウナの熱さは、そんな感触で語られることが多いようです。

サウナ室のつくり|木の壁と、2〜3段のベンチ

資料によると、ドライサウナの部屋は、壁や天井が木材やセラミックなどで覆われた断熱構造です。ベンチ、サウナヒーター、換気口、照明、温度計などが置かれていることが多い、とされています。

ベンチは高さ40cmほどのものが2〜3段あることが多いそうです。下の段は、上の段に上るステップの役割もしています(メーカーへの聞き取りによる記述)。

座る段で、熱さは大きく変わる

温められた空気は上へ昇るので、同じ部屋でも高さによって温度が違います。資料は1988年の論文の調査結果を紹介しています。室温100℃のサウナ室で上段が最も熱く、中段が70〜80℃、下段が50℃付近でした。出入口の近くは空気の出入りが多く、温度が下がりやすいとも書かれています。

同じ資料には、早坂信哉教授(東京都市大学、医師・温泉療法専門医)の注意事項が載っています。そこでは、1段上がると10℃ほど温度が上がるとしています。最初から上段に座ると、急な高温で血圧が急に上がる危険があるため、まずは下段から座るよう勧めています。
室温100℃のサウナ室の段ごとの温度の図。上段が最も温度が高く、中段は70〜80℃、下段は50℃付近。最初は下段から座る
室温100℃のサウナ室の段ごとの温度の図。上段が最も温度が高く、中段は70〜80℃、下段は50℃付近。最初は下段から座る
資料によると、サウナ室の温度計は、置かれている位置の温度を示しているもので、部屋全体の温度ではありません。たとえば温度計が90℃を示していても、それは温度計のある位置の温度です。

表示された利用基準温度は施設が決めた目安で、温度計で測った値とは別のものです。

ロウリュができるドライサウナもある

ドライサウナの中には、ストーブの石に水をかけて蒸気を立てる「ロウリュ」ができる部屋もあります。注意喚起でも、ロウリュが楽しめるサウナ室を、施設の工夫の一つとして挙げています。

水が石に落ちると、じゅわっという音とともに蒸気が広がり、乾いていた空気が一気に重く、熱く感じられます。ロウリュとアウフグースの違いや、セルフロウリュの注意点はこちらにまとめています。『ロウリュとアウフグースとは|違いと、初めて受けるときのマナー』です。

スチームサウナとミストサウナ|低めの温度で湿度が高い

湿度の高いタイプとして、施設でよく見かけるのがスチームサウナとミストサウナです。扉の向こうは白くかすみ、天井から落ちるしずくの音が聞こえることもあります。

ミストサウナは、注意喚起の脚注にある、温かい霧を室内に充満させて温まるタイプです。スチームサウナには公的な定義はありません。一般には、湯を沸かした蒸気で部屋を満たすタイプと説明されることが多いようです。ただ、施設の呼び名は統一されておらず、同じような部屋が「スチーム」とも「ミスト」とも呼ばれています。

温度は低めでも、体は温まる

スチームサウナは40〜60℃前後と紹介されることが多いものの、公的な基準ではなく、よく言われる目安です。

美容誌「美的」は2021年、日本サウナ学会代表理事の加藤容崇医師に取材しています。記事では、ドライサウナは100℃前後で湿度が低いと説明しています。ミストサウナは60℃前後で、湿度がかなり高いそうです。

同じ記事で加藤医師は、深部体温についての研究データにも触れています。90℃のドライサウナと60℃のミストサウナで、同じくらい上がるというものです。湿度が高く、肌が濡れていると、体は熱を感じやすいそうです。

いずれも医師個人の見解で、研究の名前や条件は記事に書かれていません。

ミストサウナのほうが汗をかく?

ミストサウナに入ると、肌がすぐにしっとり濡れて、たくさん汗をかいた気がします。同じ取材記事によると、肌の水滴には汗も含まれるものの、約50%は結露によるものです。肌の温度が室内より低いため、冷たいグラスに水滴がつくのと同じことが起きる、という説明です。

濡れ具合だけで、汗の量は判断できないということです。水分は、湿度の高い部屋でも同じようにとっておきます。

塩サウナ|置かれた塩を肌にのせて過ごす

塩サウナは、室内に置かれた塩を肌にのせて過ごすサウナです。塩が汗でゆっくり溶け、肌の上をすべっていく感触を楽しむ人がいます。

定義や温度・湿度について、公的な資料が示しているものは、調べた範囲では見当たりませんでした。メディアでは、ドライサウナより低温で湿度が高い部屋が多いと紹介されますが、施設によって違います。肌への効果は、根拠を確かめられなかったため扱いません。
ここからは編集部の提案です。塩サウナの決まりごとは施設ごとに違うので、まず館内の案内を確かめるのが確実です。そのうえで、次のような点に気をつけると安心です。

編集部の提案|塩サウナで気をつけたいこと

  • 塩は備え付けのものを使う。持ち込みは施設に確かめる
  • 顔や目のまわり、傷のあるところには塗らない
  • 強くこすらず、肌にのせる程度にする
  • 浴槽や水風呂に入る前に、シャワーで塩を流す

遠赤外線サウナ|遠赤外線で体を直接温める

遠赤外線サウナは、遠赤外線で直接体を温めるサウナです。注意喚起では、ドライサウナの代表とされています。

空気を熱くして温まるというより、ヒーターに面した肌がじんわり温まっていく感覚に近い、と表現されることがあります。温度は、ドライサウナより低めに設定されていると紹介されることが多いものの、施設や機種によって違います。数字はサウナ室の表示で確かめてください。

岩盤浴はサウナとは別の入浴形態

遠赤外線という言葉は、岩盤浴の説明でもよく出てきます。日本サウナ・スパ協会の自主管理基準では、岩盤浴を次のように説明しています。室温40℃・湿度80%程度の部屋で、温めた御影石などの上に横になる入浴形態の総称です。岩盤から生じる遠赤外線などで温まる、という説明です。

個室・テント・バレル|場所と形で呼ばれるサウナ

サウナには、場所や形による呼び名もあります。注意喚起では、個室タイプや映像が見られるサウナ室を挙げています。バレル型やテント型などのアウトドアタイプや、家庭用のサウナも登場している、としています。

アウトドアタイプは、自治体のルールづくりも進んでいます。たとえば千葉市は2026年3月、火災予防条例を改正しました。テント型やバレル型で、屋外に置くものを「簡易サウナ設備」として分けています。ストーブの定格出力が6キロワット以下で、熱源が薪か電気であることも条件です。決まりは市町村の条例ごとに違います。

個室サウナは、一人や少人数で入れる気楽さがある一方、何かあったときに周りに人がいないことがあります。入る前に確かめたいことは『個室サウナの安全|入る前に確かめたい5つのこと』にまとめています。

初めての人の選び方|名前より「温度」と「座る段」で見る

ここからは編集部の提案です。初めての種類に入るときは、呼び名よりも、サウナ室の表示を手がかりにすると迷いにくくなります。そのうえで、次の順に考えてみてください。

編集部の提案|初めての種類を選ぶ順番

  1. 1表示された利用基準温度や温度計の数字を見て、熱さの見当をつける
  2. 2熱いのが苦手なら、温度が低めの部屋から試す
  3. 3まずは下段から座る(早坂教授の注意事項より)
  4. 4初めての種類は、いつもより短めで出る
  5. 5湿度の高い部屋でも、水分は先にとっておく(同注意事項より)
温度が低めでも、湿度が高いと体は熱を感じやすいという医師の話は先に紹介しました。数字だけを見て長居しないほうがよさそうです。どの部屋が合うかは、人によって違います。何度か入ってみて、呼吸がつらくならない部屋を探すくらいの気持ちで十分です。

注意

飲酒後(二日酔いのときも)、食事や運動の直後、体調がすぐれないときは、サウナの利用を避けます。熱のあるとき、少し動くと息苦しくなるような重い心臓や肺の病気があるときなども同様です。脳卒中のあとや心臓疾患、高血圧で治療中の人、妊娠中の人は、主治医に確かめてから利用します(早坂教授の注意事項より)。

入る前にコップ1〜2杯の水分をとり、汗が滴る前や、動悸を感じたときはサウナ室を出ます。最初から上段に座ると、急な高温で血圧が急に上がる危険があります(同注意事項より)。

(以下は資料にはない、編集部の補足)初めての種類の部屋は、熱さの感じ方がつかめません。いつもより短めにして、様子を見てください。
サウナ室・水風呂・休憩の基本の流れや時間の目安は、初心者向けの記事にまとめています。『サウナの入り方 初心者ガイド|基本の流れ・時間の目安・つまずき対策』です。

よくある質問

Q. ドライサウナとスチームサウナの違いは何ですか?

A. いちばんの違いは湿度です。ドライサウナは湿度が低いサウナです。ヒーターで空気を熱するタイプは温度が高めのことが多く、100℃前後と説明する医師もいます。ただし遠赤外線サウナのように、ドライでも低めと紹介されるものがあり、温度は施設によって違います。スチームサウナは蒸気で湿度が高く、温度は低めのことが多いとされますが、公的な定義はありません。

Q. スチームサウナとミストサウナは同じものですか?

A. どちらも湿度が高いタイプとして紹介されます。ウェットサウナとして公的な資料に出てくるのはミストサウナです。一般には、スチームは湯を沸かした蒸気、ミストは細かい霧で部屋を満たすと説明されることが多いようです。ただ、施設の呼び名は統一されていません。

Q. サウナ初心者はどの種類から入るのがいいですか?

A. 決まった正解はありません。サウナ室に表示された温度を見て、熱いのが苦手なら低めの部屋か、ドライサウナの下段から試すのが一案です(編集部の提案)。初めての種類は短めにし、水分は先にとっておきます。

Q. 塩サウナの塩は持ち込んでもいいですか?

A. 施設によって決まりが違います。備え付けの塩を使い、持ち込みたいときは事前に施設に確かめてください。浴槽や水風呂に入る前に、シャワーで塩を流しておくと安心です(編集部の提案)。

Q. サウナ室の温度計の数字は、部屋全体の温度ですか?

A. いいえ。注意喚起によると、温度計は置かれた位置の温度を示すもので、部屋全体の温度ではありません。同じ部屋でも上段ほど熱く、下段は低めです。

まとめ

サウナの種類は、まず湿度で二つに分かれます。湿度が低いドライサウナと、湿度が高いウェットサウナ。ほかの呼び名は、その上に乗った施設ごとの名前です。

だからこそ、選ぶときは名前より、サウナ室の表示と座る段を手がかりにします。乾いた熱が肌を刺す部屋、霧に包まれる部屋、塩がとけていく部屋。呼吸が楽なまま過ごせる一室を、少しずつ見つけていってください。

参考文献

  1. サウナ浴での事故に注意 ― 体調に合わせて無理せず安全に ―(2024年6月5日。早坂信哉教授による注意事項を含む)(消費者庁)
  2. 公衆浴場における衛生等管理要領(平成15年通知の別添)(厚生労働省)
  3. 公衆浴場法におけるその他の公衆浴場(サウナ)に関する許可事務の運用状況について(情報提供)(2024年4月5日)(厚生労働省)
  4. サウナ及びスパ営業施設における衛生確保に関する自主管理基準(2019年9月)(日本サウナ・スパ協会)
  5. 簡易サウナ設備について、火災予防条例を一部改正しました(令和8年(2026年)3月)(千葉市消防局)
  6. 「ドライサウナよりもミストサウナのほうが汗をかく」ってホント?真相を医師に直撃!(2021年3月29日)(美的.com)
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しょうたろう【Tottonou 編集長】

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