サウナの知識

サウナの水分補給|いつ何をどれだけ飲む?前後の食事とお酒の注意

サウナの水分補給|いつ何をどれだけ飲む?前後の食事とお酒の注意
天井勝太郎
2026年10月31日
サウナ室の熱に包まれていると、肌の上に汗が玉になり、静かに流れ落ちていきます。水風呂をくぐり、休憩の椅子で深く息をついたあと、冷えた水をひと口。のどを通る冷たさが、体のすみずみまで染みていくように感じる人も多いのではないでしょうか。

サウナでは短い時間にたくさんの汗をかくので、その一杯は安全に楽しむための基本でもあります。

消費者庁の資料に載る医師の注意事項では、入る前と上がったあとにコップ1〜2杯、入浴中もこまめに飲むよう勧めています。この記事では、その根拠と飲み物、お酒と食事、上がったあとの休み方を、資料と通説を分けて紹介します。

注意

お酒を飲んだあと(二日酔いを含む)や食事の直後は、サウナに入らないでください。持病のある人は、主治医に相談してから利用してください。

サウナで水分補給が必要な理由|10分で汗500mLという報告

消費者庁は2024年6月に、サウナ浴での事故に注意を呼びかける資料を公表しました。その中に、東京都市大学の早坂信哉教授(医師・温泉療法専門医)による、サウナを安全に利用するための注意事項が載っています。

早坂教授の注意事項は、10分間のサウナ浴で汗が500mL程度出るという報告を紹介しています。これは体重の約1%に当たる量です。人は体重の1〜2%の水分を失うと脱水症になり、嘔吐や微熱を起こすこともあるとしています。

さらに、水分をとらないまま入って汗をかくと脱水になり、体温が上がりすぎて熱中症になるおそれがあるとしています。

のどが渇く前に|飲む時を決めておく(編集部の考え)

厚生労働省は熱中症を防ぐ行動として、のどの渇きを感じなくても、こまめに水分を補給するよう呼びかけています。これは暑さによる熱中症についての呼びかけで、サウナに向けたものではありません。

ただ、サウナ室では汗が次々に流れていき、どれだけの水分が出ていったのかを実感しにくいものです。編集部としては、サウナでも「渇いたら飲む」より「飲む時を決めておく」ほうが、飲み忘れを防ぎやすいと考えています。

サウナの水分補給はいつ?前・中・後のタイミングと量

早坂教授の注意事項には、水分をとるタイミングが、入浴の前・入浴中・入浴後に分けて書かれています。まずは全体の流れを図で確かめておきましょう。
サウナの水分補給のタイミングの図。入る前にコップ1〜2杯、入浴中もこまめに、上がったあとは30分ほど休み、コップ1〜2杯の水分をとる
サウナの水分補給のタイミングの図。入る前にコップ1〜2杯、入浴中もこまめに、上がったあとは30分ほど休み、コップ1〜2杯の水分をとる

入る前|コップ1〜2杯

注意事項では、サウナは汗をかくため、入浴前にコップ1〜2杯の水分をとるよう勧めています。

飲むタイミングに迷ったら、受付を済ませて脱衣所に向かう前に一杯、というのが編集部の提案です。家を出てから何も飲んでいない日は、特に意識しておくと安心です。

入浴中|前後だけでなく、こまめに

注意事項では、入浴の前後だけでなく、入浴中にもこまめに水分をとるよう呼びかけています。

何回かセットをくり返すなら、水風呂のあとの休憩で少しずつ飲む、という人もいます。浴室や休憩スペースに飲み物を持ち込めるかどうかは施設によって違うので、掲示や案内で確かめておきましょう。

上がったあと|30分ほど休み、コップ1〜2杯

注意事項では、上がったあとは30分ほど休み、あわせてコップ1〜2杯の水分をとるよう勧めています。休み方は、後半の見出しでくわしく紹介します。

書かれている量は「コップ1〜2杯」で、mL単位の細かな指定は見当たりませんでした。コップの大きさや汗のかき方は人によって違うので、汗をたくさんかいた日は多めを意識する、くらいに受け止めるのがよさそうです。

入り方の流れそのものは、『サウナの入り方 初心者ガイド|基本の流れ・時間の目安・つまずき対策』にまとめています。そちらで紹介している「全セットで500ml〜1L」という量の目安は、医師への取材での一例です。

サウナで何を飲む?水・お茶と、塩分も補いたいとき

注意事項は「水分」と書いていて、飲み物の種類までは決めていません。何を飲むかについては、早坂教授が2019年7月にウェブメディア「現代ビジネス」に寄せた記事があります。

これは医師個人の見解として書かれたものです。その記事で早坂教授は、水やお茶、ミネラル入り麦茶、牛乳、スポーツドリンクなどを挙げています。資料ごとに言っていることと、その根拠の種類を表にまとめました。

ふだんのサウナなら、飲み慣れた水やお茶を用意しておけば十分だと編集部は考えています。凝った飲み物を探すより、飲み忘れないことのほうが大切です。
飲み物資料で言われていること根拠の種類
水分全般入る前と上がったあとにコップ1〜2杯、入浴中もこまめに消費者庁の資料に載る医師の注意事項(2024年)。種類の指定はない
水・お茶・ミネラル入り麦茶水分補給の例に挙げられている医師個人の見解(現代ビジネス、2019年)
牛乳・スポーツドリンク水分補給の例に挙げられている医師個人の見解(現代ビジネス、2019年)
塩分を含む飲み物汗とともに塩分も失われるので、水分と塩分を補給する熱中症についての環境省の資料(2025年)。サウナについての記述ではない
経口補水液サウナで飲むべきかを示した記述は確認できなかった公的な資料は確認できず
コーヒーなどカフェインを含む飲み物サウナに向く・向かないを示した記述は確認できなかった公的な資料は確認できず
ビールなどのお酒ビールだけでは脱水の回復にならない。酔うと尿が増えて脱水傾向に医師個人の見解(現代ビジネス、2019年)と厚生労働省 e-ヘルスネット

塩分はどう考える?|熱中症の資料から分かること

環境省の「熱中症環境保健マニュアル」(2025年7月版)は、汗で塩分も失われるので、水分と塩分を補給するよう説明しています。これは暑さによる熱中症についての資料で、サウナについて書かれたものではありません。

サウナでも汗はたくさんかくので、何セットも入った日などに、塩分を含むスポーツドリンクを選ぶ人もいます。ただし、サウナのときの塩分の量は、この資料からは分かりません。

経口補水液やカフェインはどう考える?

経口補水液をサウナのたびに飲むべきか、カフェインを含む飲み物がサウナの前後に向かないのか。どちらについても、公的機関の資料は調べた範囲では見つかりませんでした。熱中症の資料に出てくる飲み物を、そのままサウナに当てはめることもできません。

カフェインはサウナに向かない、とよく言われます。気になる人は、サウナの日は水や麦茶を中心にしておくと迷わずに済みます(編集部の提案)。体調に不安があるときは、医師に相談してください。

サウナ後のお酒は?湯上がりのビールの前に知っておきたいこと

湯上がりのビールを楽しみにしている人もいるでしょう。ただ、資料を読むと、お酒は水分補給の代わりにはならないようです。

早坂教授は2019年の現代ビジネスの記事で、医師個人の見解として、ビールだけでは脱水の回復にならないと述べています。厚生労働省の「e-ヘルスネット」は、お酒に酔うと、尿の量をおさえるホルモン(抗利尿ホルモン)の分泌が減ると説明しています。そのため尿の量が増え、脱水傾向になるといいます。

お酒を飲んだあとのサウナは避ける

注意事項では、飲酒後(二日酔いも含む)はサウナの利用を避けるとしています。

その理由について、早坂教授は2019年の現代ビジネスの記事で、医師個人の見解として次のように説明しています。お酒もサウナも血管を広げて血圧を下げるので、重なると血圧が下がりすぎるおそれがある。また、アルコールの代謝にはふだん以上に水分が要るのに、サウナの汗でその水分まで失われる。そのため、サウナは酔い覚ましにもならないとしています。

サウナのあとに楽しむなら、最初の一杯は水やお茶に

ここまでは、飲んだあとにサウナに入る話です。サウナのあとの飲酒について、公的な資料は調べた範囲では見つかりませんでした。

ここからは編集部の提案です。上がったら30分ほど休んで体が落ち着くのを待ち、最初の一杯は水やお茶にする。お酒はそのあとで、量はいつもより控えめに、という順番をおすすめします。

お酒の席が続く時期については、『年末年始のサウナ|サウナ納め・初サウナを気持ちよく過ごすコツ』も参考にしてください。

サウナの前後の食事は?食後すぐを避けたい理由と目安

注意事項では、食事の直後と運動の直後は、サウナの利用を避けるとしています。どのくらい時間をあけるかの数字は、注意事項には書かれていません。

早坂教授は2019年の現代ビジネスの記事で、医師個人の見解として理由を説明しています。サウナでは血流が皮膚に移り、胃腸に回る血液が減るので、消化不良などを起こす可能性があるというものです。そのため、できれば食事の前後1時間程度はサウナを避けたほうが無難だとしています。

サウナのあとの食事は、休んでから

サウナのあとの食事は「サ飯」と呼ばれ、それを楽しみに通う人もいます。

早坂教授は同じ記事で、上がってから1時間ほどは重い食事を控えるとしています。空腹なら、胃腸に負担をかけないものを少しつまむ程度がよいそうです。サ飯を楽しむなら、まず水分をとって休み、時間をずらしてから、というのが編集部の考えです。

サウナ後の休み方|30分ほど休んで、水分をとる

早坂教授の注意事項では、入浴の熱の刺激によって、血圧が上がったり下がったりするとしています。そのため、入浴を終えたら、体を冷やさないようにすばやく水滴を拭き取ります。着替えたら、血圧が安定するまで30分ほど休憩スペースで休むよう勧めています。あわせて、入浴後もコップ1〜2杯の水分をとるとしています。

注意事項にある、上がったあとの項目

  • 体を冷やさないよう、すばやく水滴を拭き取る
  • 着替えて、血圧が安定するまで30分ほど休憩スペースで休む
  • 入浴後もコップ1〜2杯の水分をとる
ロビーの椅子に体を預け、少しずつ水を飲みながら、汗が引いていくのを待つ。編集部は、この30分をサウナの余韻を味わう時間として楽しむことをおすすめします。

サウナのあとに体重が減っているのは

サウナのあとに体重計に乗ると、入る前より数字が減っていることがあります。注意事項では、これは脱水による一時的な体重減少だとしています。そのうえで、必ず水分を十分にとるよう念を押しています。

体重計の数字を目当てに水分を控えることは、編集部としてはすすめません。

サウナを避けたいときと、安全のために

あわせて、サウナに入らないほうがよいときも確かめておきましょう。次の内容のうち、前半は注意事項から、後半は一般的な安全のための注意です。

注意

注意事項では、サウナの利用を避けるときを挙げています。たとえば、体調がすぐれない、熱がある、むくみや目に見える出血があるとき。食事や運動の直後、飲酒後(二日酔いも含む)もです。脳卒中の後や心臓の病気、高血圧で治療中の人、妊娠中の人は、主治医に確かめてから利用してください。

そのほか一般的な安全のために。水分や塩分の量について主治医から指示を受けている人は、この記事の目安ではなく主治医の指示に従ってください。サウナ室で気分が悪くなったら、すぐに出て、周りの人や施設のスタッフに知らせてください。
寒い季節は、上がったあとに体を冷やさない工夫がいっそう大切になります。『冬のサウナの入り方|外気浴が寒いときの対処と安全の基本』もあわせてどうぞ。

サウナの水分補給でよくある質問

Q. サウナに入る前にも水を飲んだほうがいいですか?

A. はい。消費者庁の資料に載っている早坂信哉教授の注意事項では、サウナは汗をかくため、入浴前にコップ1〜2杯の水分をとるよう勧めています。水分をとらずに汗をかくと、脱水や熱中症のおそれがあるとしています。

Q. サウナの途中でも水を飲んでいいですか?

A. 注意事項では、入浴中にもこまめに水分をとるよう呼びかけています。飲み物を持ち込める場所は施設によって違うので、掲示や案内を確かめてください。

Q. サウナのあとの飲み物は何がいいですか?

A. 種類を示した公的な資料は、調べた範囲では見つかりませんでした。早坂教授は2019年の現代ビジネスの記事で、医師個人の見解として、水やお茶、ミネラル入り麦茶、牛乳、スポーツドリンクなどを挙げています。経口補水液をサウナで飲むべきかを示した公的な資料も、確認できませんでした。

Q. サウナのあとのビールで水分補給になりますか?

A. 早坂教授は2019年の現代ビジネスの記事で、医師個人の見解として、ビールだけでは脱水の回復にならないと述べています。厚生労働省のe-ヘルスネットも、酔った状態では尿が増えて脱水傾向になると説明しています。

Q. 食事のあと、どのくらいあけてからサウナに入ればいいですか?

A. 注意事項では、食事の直後の利用を避けるとしています。早坂教授は2019年の現代ビジネスの記事で、医師個人の見解として、食事の前後1時間程度は避けたほうが無難だと書いています。

まとめ

サウナの水分補給は、入る前にコップ1〜2杯、入浴中もこまめに。上がったあとは30分ほど休み、あわせてコップ1〜2杯の水分をとる。これが、消費者庁の資料に載っている早坂信哉教授の注意事項の目安です。飲み物は、ふだん飲み慣れた水やお茶で足りると編集部は考えています。飲酒後や食事の直後のサウナは避けましょう。

熱の中で流した汗のぶんだけ、静かに水を足していく。湯上がりの一杯をゆっくり味わう時間も、サウナの余韻のひとつです。
天

天井勝太郎

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