サウナの入り方

サウナの入り方 初心者ガイド|基本の流れ・時間の目安・つまずき対策

サウナの入り方 初心者ガイド|基本の流れ・時間の目安・つまずき対策
天井勝太郎
2026年10月31日
木の扉を開けると、乾いた熱が顔を包み、ストーブの上で石がじりじりと音を立てています。しばらく座っていると、額に汗がにじみ、呼吸がゆっくりになっていく。そのあと冷たい水をくぐり、椅子に体を預けたとき、体の奥がふわりと軽くなるような感覚が訪れます。

初めてのサウナは、何分入ればいいのか、水風呂に入れなかったらどうしよう、周りの人に迷惑をかけないかと、わからないことだらけかもしれません。でも、押さえるべきことは多くありません。

基本は「サウナ室で温まる→汗を流して水風呂→体を拭いて休憩」を1セットにして、何回かくり返すこと。セット数は2〜3セットがよく言われる目安です。時間は時計より体の合図を優先し、我慢はしない。この記事では、準備から基本の流れ、時間の目安とその根拠、つまずきやすい場面の乗り越え方、マナーと安全の基本までをまとめます。

サウナ初心者の準備|施設の選び方と持ち物

サウナは、銭湯、スーパー銭湯や日帰り温泉、サウナを中心にした専門の施設、ホテルや旅館の大浴場、個室サウナなど、いろいろな場所で楽しめます。初めてなら、近所の銭湯やスーパー銭湯が気軽です。料金が手ごろで、タオルの貸し出しや販売がある施設も多く、試しやすいのが魅力です。

混雑が苦手なら、平日の昼間など、人が少なそうな時間を選ぶと、まわりを気にせず自分のペースで入れます。個室サウナを使ってみたい人は、『個室サウナの安全|入る前に確かめたい5つのこと』で、非常用ブザーや扉など入る前に確かめたいことをまとめています。

サウナ室にも種類がある

日本の施設でよく見かけるのは、高温で空気が乾いた「ドライサウナ」と、温度は低めで蒸気が立ちこめる「スチームサウナ」です。ドライサウナの中には、ストーブの石に水をかけて蒸気を立てる「ロウリュ」ができるところもあります。

熱さが苦手な人の中には、温度が低めのサウナ室や、スチームサウナから試す人もいます。サウナ室の入口に温度計があれば、入る前に見ておくと心の準備ができます。

初めてのサウナの持ち物

あると安心な持ち物

  • タオル2枚(体を拭く用と、サウナ室で敷く・頭に巻く用)
  • 飲み物(水やお茶など)
  • 着替えと、濡れたタオルを入れる袋
  • シャンプーやボディソープ(備え付けがない施設もある)
  • 髪の長い人はヘアゴム
タオルや館内着、シャンプー類が用意されていて、手ぶらで行ける施設もあります。何が用意されているかは施設ごとに違うので、公式サイトで確かめてから出かけましょう。

サウナの入り方の基本は「サウナ室→水風呂→休憩」

サウナの入り方は、どの施設でもおおむね同じです。サウナ室で体を温め、水風呂で汗と熱を流し、休憩でゆっくり落ち着く。この3つで1セットです。
サウナの1セットの流れ。サウナ室で温まる、汗を流して水風呂、体を拭いて休憩、の3ステップ
サウナの1セットの流れ。サウナ室で温まる、汗を流して水風呂、体を拭いて休憩、の3ステップ

入る前の準備

まず、体と髪を洗います。汗や汚れを落としてから入るのが、サウナの最初のマナーです。湯船やかけ湯で体を少し温めておくと、冷えた体のままサウナ室に入るより楽に感じる人が多いようです。

サウナ室に入る前には、タオルで体の水気を拭いておきます。濡れたままだと、ベンチや床を濡らしてしまいます。消費者庁の資料に載っている医師の注意事項では、汗をかくので、入浴前にコップ1〜2杯の水分をとるよう勧めています。

サウナ室で温まる

サウナ室は、上の段ほど熱く、下の段ほどおだやかです。初めてなら下の段から始めましょう。座ったら、背中を壁に預けて力を抜き、ゆっくり呼吸します。あぐらをかいたり、膝を立てたりして足を上げて座ると、足先まで温まりやすいと感じる人もいます。混んでいるときは、周りの人に配慮して座ります。

出るタイミングは、時計より体の合図で決めます。体の芯まで温まった、「そろそろ出たい」と感じたら、それが出どきです。苦しくなるまで我慢する必要はありません。

汗を流して、水風呂へ

サウナ室を出たら、かけ水やシャワーで汗を流してから水風呂に入ります。汗をつけたまま水風呂に入るのはマナー違反です。

水風呂には、足先から、ゆっくり入ります。肩まで浸かるのが難しければ、腰やひざまでで十分です。じっとしていると、体のまわりに薄い膜ができたように冷たさがやわらぐ、と表現する人もいますが、やわらいでも長居はしません。時間は1分以内を目安にする医師の見解もあります(後で紹介します)。

体を拭いて、休憩する

水風呂から上がったら、タオルで体の水気を拭き、椅子に座って休みます。屋外で休む「外気浴」ができる施設なら、外の空気に当たりながら休むのもおすすめです。目を閉じて、心臓の鼓動がゆっくり落ち着いていくのを感じてみてください。

休憩が終わったら、また1セット目に戻ります。セットの合間にも、水分をこまめにとります。寒い季節は外気浴で体が冷えすぎることもあるので、『冬のサウナの入り方|外気浴が寒いときの対処と安全の基本』もあわせて読んでみてください。

サウナの基本の流れ

  1. 1

    体と髪を洗い、体を温めておく

    かけ湯や湯船で体を慣らし、水気を拭いてから、水分をとっておきます。

  2. 2

    サウナ室で温まる

    初めては下の段から。体の芯が温まり「出たい」と感じたら出ます。

  3. 3

    汗を流してから水風呂へ

    かけ水やシャワーで汗を流し、足先からゆっくり。苦手なら無理に入らなくてかまいません。

  4. 4

    体を拭いて休憩する

    水気を拭いて椅子で休みます。外気浴ができれば外で。水分もとります。

  5. 5

    くり返し、最後に水分をとる

    体の様子を見ながら何回かくり返します。物足りないくらいで終えても十分です。

何分・何セットが目安?数字とその根拠

調べた範囲では、国や公的機関が示したサウナの時間やセット数の基準は見つかりませんでした。よく見かける数字の多くは、サウナ好きのあいだで言われてきた目安です。

医師の見解としては、美容メディア「美的.com」の取材(2021年3月)があります。取材当時、日本サウナ学会の代表理事だった医師の加藤容崇さんは、サウナ室の時間は年齢や体調、体力によって人それぞれだと話しています。一般には6〜12分と言われることが多い、とも紹介しています。

そのうえで加藤さんは、時計の代わりに脈拍を目安にする方法を挙げています。たとえば、ふだんの脈拍のおよそ2倍になったら出る、というものです。同じ取材では、水風呂は1分以内、外気浴は5〜10分ほど、セット数は最低でも3セット、水分は全セットを通して500ml〜1Lを目安にするとしています。
項目目安根拠
サウナ室6〜12分ほど(人それぞれ)医師の取材記事で「一般に言われる」数字として紹介。確認できた範囲では公的な基準は示されていない
出るタイミング脈拍がふだんの約2倍医師の見解
水風呂1分以内医師の見解
休憩・外気浴5〜10分ほど医師の見解
セット数(通説)2〜3セットよく言われる目安。出典は確認できていない
セット数(医師)最低でも3セット医師の見解
これらは、一人の医師の見解や、よく言われる目安です。初めてのうちは、数字に合わせて我慢するより、短めから始めて、自分の体の合図を覚えていくほうが大切だと編集部は考えています。無理のない範囲で、慣れないうちは2セットで切り上げてもかまいません。

脈拍で出るタイミングをつかむ

脈拍を目安にするなら、家でくつろいでいるときの脈拍を一度測っておきます。一般的な測り方では、手首の親指側に人さし指と中指をそっと当て、15秒数えて4倍にすると、1分あたりの脈拍がわかります。

サウナ室でも同じように測り、ふだんの脈拍のおよそ2倍に近づいてきたら、出る目安のひとつになります。ただし、2倍に届く前でも、動悸やめまい、息苦しさを感じたら、その時点で出てください。持病がある人や薬を飲んでいる人は、この目安を使わず、医師に相談してください。

サウナ初心者がつまずく場面と対処法

水風呂が冷たくて入れない

サウナ初心者
水風呂が冷たすぎて、どうしても入れません
しょうたろうしょうたろう
無理に入らなくて大丈夫ですよ
消費者庁は、水風呂が苦手な人や入ると体調が悪くなる人は、無理に水風呂に入る必要はなく、自分の体調に合わせて、サウナと外気浴を交互にするなどの入り方も検討するよう呼びかけています。

冷たい水シャワーで汗を流すだけにする、足だけ浸ける、ひざまで入って様子を見る、といった方法でもかまいません。水風呂の温度は施設によって違うので、冷たく感じる日は短めに切り上げましょう。

のぼせる、頭がくらくらする

サウナ室で頭がぼーっとしてきたら、すぐに出ましょう。下の段に座る、時間を短くする、セットの合間に水分をとる、といった工夫で、のぼせにくくなります。

消費者庁は、水分をとらずに我慢して長い時間サウナ室にいると、体温が上がりすぎて熱中症になるおそれがあるとしています。また、サウナ室の出入りでの急な行動にも注意を呼びかけています。編集部としては、ベンチから立ち上がるときも、一呼吸おいてからゆっくり動くことをおすすめします。

「整う」感覚がわからない

サウナ初心者
3セットやってみたけど、整うってこういうことなのかな…?
しょうたろうしょうたろう
整わなくても失敗ではありません。気持ちよかったなら、それで十分です
「整う」は、サウナのあとの休憩で、頭がすっきりしたり、体が軽く感じたりする状態を表す言葉としてよく使われます。ただ、感じ方には個人差があり、毎回同じように感じるものでもありません。

整うことを目標にして時間や回数を増やすと、かえって体に無理がかかることがあります。まずは「気持ちよかった」「よく眠れた」といった小さな変化を楽しむくらいがちょうどいいでしょう。回数を重ねるうちに、自分に合った入り方が見つかる人が多いようです。

これだけ守れば大丈夫なサウナのマナー

サウナのマナーは、ほかの人が気持ちよく過ごせるように、という考え方が基本です。初めてでも、次のことを守れば大丈夫です。

サウナの基本のマナー

  • 体と髪を洗ってから入る
  • サウナ室に入る前に体を拭き、ベンチや床を濡らさない
  • 水風呂の前に、かけ水やシャワーで汗を流す
  • 休憩の椅子は、使ったら軽く流すか拭く
  • タオルや私物で席を取らない
  • サウナ室では大きな声で話さない(会話を控える「黙浴」をお願いしている施設もある)
  • タオルの持ち込み、サウナハット、ロウリュなどは施設のルールに従う
施設ごとのルールは、入口や脱衣所、サウナ室の前に掲示されていることが多いので、最初に目を通しておきます。消費者庁も、掲示されている注意事項を確かめて正しく利用するよう呼びかけています。

安全に楽しむための基本

消費者庁は2024年6月に、サウナ浴での事故への注意を呼びかけています。事故情報データバンクには、2024年4月末までに78件の事故が登録されていて、やけどがもっとも多い31件でした。サウナストーブや照明など、温度の高い部分には触れないようにしてください。

消費者庁は、脱衣後すぐにサウナ室に入ったり、サウナ室から出てすぐに水風呂に入ったりといった、急な温度変化を伴う行為に注意を促しています。こうした行為は、いわゆるヒートショックのような状態を起こすことにもつながり、大変危険だとしています。サウナ室や水風呂に入る前は、シャワーで体を流すなどして、少しずつ体を温度に慣らしましょう。

同じ資料に載っている医師(早坂信哉さん、東京都市大学教授)の注意事項では、体調がすぐれないとき、食事や運動の直後、飲酒後(二日酔いも含む)はサウナの利用を避けるとしています。また、心臓の病気や高血圧で治療中の人、妊娠中の人は、主治医に確かめてから利用するよう勧めています。

注意

お酒を飲んだあと(二日酔いのときも)、食事や運動の直後、体調がすぐれないときは、サウナに入らないでください。

持病がある人、薬を飲んでいる人、妊娠中の人は、事前に主治医に相談してください。水分の量について主治医から指示がある人は、それに従ってください。

入る前とセットの合間には、水やお茶などで水分をとってください。サウナ室で気分が悪くなったら、すぐに出て、周りの人や施設のスタッフに知らせてください。

よくある質問

Q. サウナは初めてだと何分入ればいいですか?

A. 決まった時間はありません。一般には6〜12分ほどと言われますが、年齢や体調で人それぞれです。初めてなら短めから始めて、体の芯が温まり「出たい」と感じたら出ましょう。

Q. 何セットくらいすればいいですか?

A. 2〜3セットがよく言われる目安で、医師の中には最低でも3セットとする見解もあります。慣れないうちは、無理のない範囲で2セットで切り上げてもかまいません。回数をこなすより、1セットずつ体の様子を確かめながら入ることを大切にしてください。

Q. 水風呂に入らないとサウナの意味はありませんか?

A. そんなことはありません。消費者庁も、水風呂が苦手な人は無理に入る必要はなく、サウナと外気浴を交互にするなどの入り方も検討するよう呼びかけています。足だけ浸ける、冷たいシャワーを浴びるだけでもかまいません。

Q. お酒を飲んだあとや、食後すぐにサウナに入ってもいいですか?

A. 入らないでください。消費者庁の資料に載っている医師の注意事項でも、飲酒後(二日酔いも含む)や食事の直後はサウナの利用を避けるとしています。

Q. サウナ室では、タオルや水着はどうすればいいですか?

A. 施設によって違います。大浴場のサウナでは、タオルを敷いたり、頭に巻いたりして入る人が多く、水着は使わないのが一般的です。水着で入る施設や、サウナマットが用意されている施設もあるので、掲示や案内に従ってください。

Q. サウナで整わないのは、入り方が間違っているからですか?

A. 間違いではありません。感じ方には個人差があり、毎回整うわけでもありません。気持ちよかった、よく眠れたといった小さな変化を楽しみながら、自分に合った入り方を探してみてください。

まとめ

サウナの入り方の基本は、サウナ室で温まり、汗を流して水風呂に入り、体を拭いて休憩する。この1セットを、体の様子を見ながら何回かくり返すことです。時間は時計より体の合図を優先し、水風呂が苦手なら無理に入らなくてかまいません。

最初から完璧に入る必要はありません。熱に包まれ、冷たい水に触れ、椅子の上で呼吸が静まっていく。その流れを一度味わってみるだけで、サウナの心地よさは少しずつ自分のものになっていきます。
天

天井勝太郎

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