サウナの知識

サウナで気持ち悪くなったら|のぼせ・めまい・頭痛の対処と受診の目安

サウナで気持ち悪くなったら|のぼせ・めまい・頭痛の対処と受診の目安
しょうたろう【Tottonou 編集長】
2026年11月03日
熱をたっぷり含んだ空気の中で、自分の鼓動がいつもより大きく聞こえる。そんな時間の途中で、ふと頭が重くなったり、目の前が揺れたりすることがあります。胸のあたりがむかむかして、心地よさとは違う感覚が広がっていく。

その感覚は、我慢して乗りきるものではありません。消費者庁が2024年に出したサウナの注意喚起にも、我慢することで体調を崩すおそれがあると書かれています。

この記事では、その場でやること、きっかけ、症状ごとの注意、救急車を考えるサインを整理します。

注意

自力で水が飲めない、意識がないとき、また周りの人が会話ができない、呼びかけに反応がないときは、すぐに救急車を呼ぶよう公的資料に書かれています。くわしくは「救急車や受診を考えるサイン」の章にまとめています。

(編集部の補足)ふらつくときも、熱くなったベンチや壁に体をあずけたままにしないでください。サウナ室を出た先で、座るか横になります。

サウナで気持ち悪くなったら、まずやること

のぼせ、めまい、吐き気、頭痛。その場でやることの流れは、症状が違っても共通です。ただし、意識がないとき、突然の激しい頭痛や胸の痛みなどがあるときは、休んで様子を見るのではなく、「救急車や受診を考えるサイン」の章を先に見てください。原因を考えるのは、安全な場所に移ってからで十分です。
サウナで気分が悪くなったときにその場でやる4つの流れ。我慢せずゆっくり出る、近くの人やスタッフに知らせる、サウナ室を出た先で座るか横になる、涼しい場所で冷やして水分をとる
サウナで気分が悪くなったときにその場でやる4つの流れ。我慢せずゆっくり出る、近くの人やスタッフに知らせる、サウナ室を出た先で座るか横になる、涼しい場所で冷やして水分をとる

我慢せず、ゆっくりサウナ室を出る

注意喚起には、医師の早坂信哉さん(2024年の資料の時点で東京都市大学教授、温泉療法専門医)の注意事項も載っています。動悸は体温が上がりすぎているサインなので、感じたらサウナ室を出るよう書かれています。アウフグースのようなイベントの最中でも、我慢しないで出てよいとしています。

出るときは、勢いよく立ち上がらないことも大切です。同じ資料は、出入口付近は濡れて滑りやすいことがあり、急な行動はけがにつながりやすいと注意しています。

近くの人や施設のスタッフに知らせる

注意喚起では、サウナ室で体調に異変を感じたら、すぐに周りの人や施設の従業員に知らせるよう呼びかけています。非常用ボタンを押すのもそのひとつです。周りの人の様子がおかしいときも同じです。

資料には、体調不良で長く動けなくなると、ベンチや壁に触れている部分に重いやけどを負う可能性があると書かれています。

編集部の提案として、「少し気分が悪い」の段階で声をかけてかまいません。立てないほどふらつくときは、無理に歩かず、非常用ボタンや声で周りの人を呼んでください。

個室サウナでは、すぐ近くに人がいないことがあります。入る前に確かめたいことは『個室サウナの安全|入る前に確かめたい5つのこと』にまとめています。

涼しい場所で休み、体を冷やし、水分をとる

環境省の「熱中症環境保健マニュアル」(2025年7月版)は、自分が熱中症になったときの応急処置を3つ挙げています。サウナに限った資料ではありません。

1つ目は、すぐに涼しい場所へ移ること。2つ目は、冷えたタオルなどで手足や首、脇の下、太ももの付け根などを冷やし、衣服を緩めること。3つ目は、冷たい飲み物で水分をとり、塩分も補うことです。症状が良くなれば、そのまま休んで回復を待つよう書かれています。
ここからは、資料にはない編集部の提案です。めまいや立ちくらみがあるときは、サウナ室を出た先で座るか横になり、転ばない姿勢をとってください。落ち着いてから、スタッフの手を借りて休憩スペースへ移ります。

体を冷やそうとして、気分が悪いまま水風呂に入るのもやめておきましょう。体を冷やすなら、資料にある冷えたタオルなどで手足や首を冷やす方法があります。その日のサウナは、そこで切り上げてください。

水風呂を避けたい理由の手がかりは、医師の注意事項にあります。サウナの直後に急に水風呂に浸かると血圧が上がり、脈の乱れで意識を失うこともあるといいます。ただしこれは、サウナ直後に急に水風呂に入る場合の説明で、気分が悪いときを対象にした文ではありません。

サウナで気持ち悪くなるのはなぜ?資料から考えられるきっかけ

気分が悪くなった理由を、その場で自分で決めることはできません。ただ、資料を読むと、きっかけになりやすいことはいくつか見えてきます。

体温の上がりすぎと、水分不足

注意喚起は、水分をとらずに我慢して長くサウナ室に入ると、体温が上がりすぎて熱中症になる可能性があるとしています。熱中症のマニュアルは、暑い環境にいた後に体調が悪くなった場合は、全て熱中症の可能性があると書いています。例に挙がるのは、めまい、こむら返り、頭痛、吐き気、倦怠感などです。

水分については、注意事項に、10分間のサウナ浴で汗が500mL程度出るという報告が紹介されています。体重の約1%にあたる量です。体重の1〜2%の水分を失うと脱水症となり、嘔吐や微熱を起こすこともあるとしています。さらに進むと、全身のだるさや頭痛、めまいなどが出ると書かれています。

急な温度差

注意事項では、最初から上段に座ると、急な高温で血圧が急に上がる危険があるとしています。1段上がると、温度が10℃ほど上がるためです。サウナの直後に急に水風呂に浸かることも、血圧の上昇につながると説明しています。

その日の体調とタイミング

注意事項は、サウナを避けるときを挙げています。体調がすぐれないとき、食事の直後、運動の直後、飲酒後(二日酔いも含む)などです。

注意喚起に載る事故情報では、「めまい・意識障害」は7件でした(一人が複数のけがを負う場合があるため、人数とは一致しません)。40歳以上では、外傷のほかに「めまい・意識障害」なども含まれていたといいます。

症状ごとに気をつけたいこと|のぼせ・めまい・吐き気・頭痛

その場でやることの流れは共通ですが、症状によって気をつけたい点は少しずつ違います。突然の激しい頭痛や胸の痛みなどがあるときは、ここより先に「救急車や受診を考えるサイン」の章を見てください。ここでも原因は決めつけず、資料にある注意を中心に書きます。

のぼせ・頭がぼーっとする

注意事項では、汗をかいたら体温が0.5〜1.0℃ほど上がっていると考えられるとしています。十分に温まったサインなので、汗が滴るまで我慢せず、自分のペースで一度出るよう勧めています。

編集部の提案として、頭がぼーっとするまで粘る必要はありません。

めまい・立ちくらみ

厚生労働省の熱中症のページは、熱中症が疑われる症状の例に、めまいと立ちくらみを挙げています。

消防庁の救急車利用リーフレットには、重大な病気やけがの可能性がある症状が並んでいます。その中に「支えなしで立てないぐらい急にふらつく」があります。

ここからは編集部の提案です。サウナ室を出る前に強いふらつきを感じたら、出入口の近くの下段に腰かけ、熱くなった壁やベンチに背や手をつけないようにしてください。非常用ボタンや声で周りに知らせてください。サウナ室の外では、その場で座るか横になります。

吐き気・気持ち悪さ

吐き気は、熱中症のマニュアルが挙げる体調不良のひとつです。マニュアルは、休んで水分をとる対応をしても、吐き気などで自分で水分がとれない場合や、症状が改善しないときは、すぐに医療機関を受診するよう書いています。

冷や汗を伴うような強い吐き気は、リーフレットにも挙がっています。

頭痛と、突然の激しい頭痛

頭痛も、熱中症や、脱水が進んだときの症状として資料に出てきます。一方で、突然の激しい頭痛は、リーフレットの「頭」の項目の最初にあります。

編集部の提案として、突然の激しい頭痛は、休めば治まるだろうと様子を見ずに、次の章のサインと照らし合わせてください。

動悸・胸の苦しさ

サウナ室で動悸を感じたら出る、というのは最初の章のとおりです。注意事項は、水風呂に入ると動悸がしたり胸が苦しく感じたりする人は、水風呂に入らないほうがよいとも書いています。

資料の事例には、50代の女性がスポーツクラブのサウナで心臓発作を起こし、3日間入院したものもあります。以前に心筋梗塞を起こしたことがある人でした。水風呂との付き合い方は『水風呂の入り方|苦手な人の慣らし方と、入らないほうがいいとき』でくわしく紹介しています。

「急な息切れ、呼吸困難」「胸の中央が締め付けられるような、または圧迫されるような痛みが2~3分続く」は、救急車利用リーフレットに挙がっている症状です。当てはまるときは、次の章を見てください。

救急車や受診を考えるサイン

救急車を呼ぶ目安は、編集部の言葉に置きかえず、公的な資料の文言のまま紹介します。ただし項目が多いため、ここにはその一部だけを載せます。
救急車や受診を考えるサインの比較図。熱中症の資料ですぐに救急車を呼ぶとされているのは、意識がない、周りの人が見て会話ができない・呼びかけに反応がない、自力で水が飲めないとき。救急車利用リーフレットにある症状の例は、突然の激しい頭痛、支えなしで立てないぐらい急にふらつく、冷や汗を伴うような強い吐き気、胸の中央が締め付けられるような痛みが2〜3分続く。症状が良くならないときはすぐに医療機関を受診し、迷ったら♯7119などに相談する
救急車や受診を考えるサインの比較図。熱中症の資料ですぐに救急車を呼ぶとされているのは、意識がない、周りの人が見て会話ができない・呼びかけに反応がない、自力で水が飲めないとき。救急車利用リーフレットにある症状の例は、突然の激しい頭痛、支えなしで立てないぐらい急にふらつく、冷や汗を伴うような強い吐き気、胸の中央が締め付けられるような痛みが2〜3分続く。症状が良くならないときはすぐに医療機関を受診し、迷ったら♯7119などに相談する

すぐに救急車を呼ぶよう書かれているとき

厚生労働省の熱中症のページには、「自力で水が飲めない、意識がない場合は、すぐに救急車を呼びましょう!」とあります。

自力で水がとれないときについて、環境省のマニュアルは「すぐに医療機関を受診」、厚生労働省のページは「すぐに救急車」と、書き方が少し違います。

編集部の提案として、迷うときは重いほう(救急車)を考えてください。♯7119にも相談できます。

環境省のマニュアルは、周りの人が会話ができない、呼びかけに反応がない様子のときは、とても危険な状態だとしています。ためらわずすぐに救急車を呼び、到着までのあいだも体を冷やすよう書かれています。救急車を呼ぶほどではなくても、応急処置をして症状が改善しないときは、すぐに医療機関を受診するよう書いています。

消防庁の救急車利用リーフレット(成人版)は、「重大な病気やけがの可能性があります」として症状を挙げています。国の「上手な医療のかかり方」のサイトは、これをもとにした一覧を、すぐに救急車を呼ぶ症状として載せています。下の一覧は、リーフレットから編集部が選んだ一部です。

救急車利用リーフレットに挙がっている症状(一部)

  • 突然の激しい頭痛、突然の高熱
  • 支えなしで立てないぐらい急にふらつく
  • 意識がない(返事がない)、またはおかしい(もうろうとしている)
  • ぐったりしている
  • 冷や汗を伴うような強い吐き気
  • 急な息切れ、呼吸困難
  • 胸の中央が締め付けられるような、または圧迫されるような痛みが2~3分続く
  • 顔半分が動きにくい、または、しびれる
  • ろれつがまわりにくく、うまく話せない
  • 突然、片方の腕や足に力が入らなくなる
  • けいれんが止まらない。けいれんが止まっても、意識がもどらない
  • 広範囲のやけど
ほかにも、突然の激しい腹痛、大量の出血を伴うけがなどの項目があります。最後には「その他、いつもと違う場合、様子がおかしい場合」も挙がっています。迷うときは原文も確かめてください。

迷ったときの相談先(♯7119など)

リーフレットには、119番通報などの判断に迷ったときは、救急相談窓口(♯7119等)に相談するよう書かれています。救急車を呼ぶか、すぐ病院へ行くかを、医師や看護師などに電話で相談できる窓口です。

消防庁のページでは、2026年11月の閲覧時点で、全国42地域で実施しているとされています。実施していない地域もあります。お住まいの地域で使えるか、事前に消防庁のページで確かめてください。地域ごとに別の番号が定められていることもあります。

編集部の補足です。つながらないときや、すぐに救急車が必要そうなときは、ためらわず119番です。

その場で治まっても、くり返すとき

編集部の提案として、休んで治まっても、サウナのたびに同じ不調が出るときは、かかりつけの医師に相談してください。持病や飲んでいる薬がある人は、サウナの入り方そのものを主治医に確認しておくと安心です。

注意

消費者庁の資料に載っている医師の注意事項より
体調がすぐれないとき、食事や運動の直後、飲酒後(二日酔いも含む)などは、サウナの利用を避けます。病気の活動期(特に熱のあるとき)、少し動くと息苦しくなるような重い心臓や肺の病気があるときなども挙がっています。

慢性の病気が急に悪化してきたとき、脳卒中後や心臓疾患、高血圧で治療中の人、妊娠中の人は、主治医に確認してからにします。

同じ資料の呼びかけより
サウナ室で体調に異変を感じたら、すぐに周りの人や施設の従業員に知らせてください。

熱中症と救急の公的資料より
自力で水が飲めない、意識がないとき、周りの人が会話ができない、呼びかけに反応がないときは、すぐに救急車を呼んでください。迷うときは救急相談窓口(♯7119など)に相談できます。

(以下は資料にはない、編集部の補足)
気分が悪くなった日は、サウナはそこで終わりにしましょう。水風呂で冷やそうとせず、涼しい場所で休んでください。

次から気持ち悪くならないために|入る前と入り方の見直し

一度気分が悪くなると、次のサウナが少し怖くなるかもしれません。最初の章で紹介した医師の注意事項から、見直せることを抜き出しました。

注意事項から見直したいこと

  • 温かいシャワーを手足の先から体の中心へかけてから入る
  • 下の段から座り、熱さに慣れたら少しずつ上へ移る
  • 汗が滴るまで我慢せず、動悸を感じたら出る
  • 水風呂はぬるいお湯で汗を流し、かけ水で慣らしてから。苦手なら入らなくてよい
  • 上がったら体を拭いて着替え、30分ほど休み、コップ1〜2杯の水分をとる
飲むタイミングや、お酒・食事との間のあけ方は『サウナの水分補給|いつ何をどれだけ飲む?前後の食事とお酒の注意』にまとめています。
編集部の提案として、前回気分が悪くなった人は、次は1回の時間を短めにし、セット数も減らしてみてください。ひとりの日は、非常用ボタンの場所を先に確かめておくと落ち着けます。

よくある質問

Q. サウナで気持ち悪くなったら、水風呂で冷やせば楽になりますか?

A. 医師の注意事項(消費者庁の資料)は、サウナの直後に急に水風呂に浸かると血圧が上がり、意識を失うこともあるとしています。編集部の提案として、気分が悪いときは水風呂を使わず、涼しい場所で休んでください(「まずやること」の章)。

Q. めまいがするのは「ととのった」からですか?

A. めまいや立ちくらみは、国の熱中症のページで、熱中症が疑われる症状の例に挙がっています。調べた範囲では、めまいを「ととのった」サインとする公的な資料は見つかりませんでした。

Q. サウナのあとに頭が痛くなりました。病院に行くべきですか?

A. 突然の激しい頭痛は、公的な資料ですぐに救急車を呼ぶ症状として紹介されています。そうでない場合も、国の熱中症のマニュアルは、休んで水分をとるなどしても症状が改善しないときは、すぐに医療機関を受診するよう書いています。判断に迷うときは、救急相談窓口(♯7119など)に電話で相談できます。

Q. 気持ち悪くなったあと、同じ日にもう一度入ってもいいですか?

A. 調べた資料に、再入浴の目安は書かれていませんでした。医師の注意事項では体調がすぐれないときはサウナを避けるとしているので、その日は終わりにするのが編集部の提案です。

まとめ

出る、知らせる、休む、水分。迷ったら救急車か♯7119です。

熱と静けさに身をゆだねる時間は、体が「もう十分」と知らせてきたら終わりにしていい時間です。その声を聞き流さずに出ることが、次のサウナを心地よく迎える近道なのかもしれません。
し

しょうたろう【Tottonou 編集長】

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