サウナハットは、あったほうがいいのか。なくても困らないのか。効果としてよく挙げられる話をたどると、出典のはっきりしたものは多くありませんでした。
先に結論を書くと、サウナハットは必須の道具ではありません。頭の熱さが気になる人が試してみる道具の一つです。使うかどうかは、施設の決まりと自分の感じ方で決めればよい、というのが編集部の考えです。
この記事では、何のためにかぶるのか(根拠の強さ)、素材の違い、タオルで代用するときの考え方を整理します。最後に、施設のルールの確かめ方をまとめます。商品の紹介はしていません。
目次
- サウナハットは必要?|必須ではない道具01
- かぶる人が挙げる理由02
- サウナハットはいらない? なくても困らない人、あると楽に感じる人03
- サウナハットの効果は?根拠の強さを3段で整理04
- 背景の事実|サウナ室は上の段ほど熱い05
- 間接的な研究|頭や顔を冷やすと楽に感じた06
- ハットそのものの効果|のぼせ・髪・素材の差07
- サウナハットの素材の違い|ウール・フェルト・リネン・タオル地08
- 金属の飾りや留め具に気をつける09
- サウナハットはタオルで代用できる?10
- タオルで代用するときのコツ11
- サウナハットの持ち込みと着用|施設のルールの確かめ方12
- 安全に使うために|ハットがあっても無理はしない13
- よくある質問14
- まとめ15
サウナハットは必要?|必須ではない道具
かぶらなければならない、という公的な基準は見当たりません。消費者庁が2024年6月に出した資料「サウナ浴での事故に注意」には、サウナを安全に使うための注意が並んでいます。ただ、帽子やハットについての記述はありません。
かぶる人が挙げる理由
ただ、どれも「そう感じる」「そう言われる」という話で、サウナハットで確かめた研究ではありません。どこまで裏づけがあるのかは、次の章で整理します。
サウナハットはいらない? なくても困らない人、あると楽に感じる人
編集部の考え|サウナハットを用意するか迷ったら
- 頭や耳が先に熱くてつらくなる人は、まずタオルで試してみる
- 熱さが気にならない人は、無理に用意しなくてよい
- 通う施設が決まっている人は、持ち込みの決まりを先に確かめる
サウナハットの効果は?根拠の強さを3段で整理

背景の事実|サウナ室は上の段ほど熱い
資料によると、室温100℃のサウナ室では上段が最も高く、中段が70〜80℃、下段が50℃付近です。植田理彦氏の1988年の報告(『サウナ浴』)を引いた調査結果です。消費者庁の資料を通じた引用で、編集部は原典を読んでいません。古い調査なので、いまの施設の温度とは違うこともあるはずです。
サウナ室の温度計は、設置された位置の温度を示すもので、室内全体の温度ではないとも書かれています。

座ったとき、体の中でいちばん高い位置にあるのは頭です。頭だけが先に熱く感じるのはこのためかもしれない、というのが編集部の見方です。これは段の温度の話で、ハットの効果を示すものではありません。
間接的な研究|頭や顔を冷やすと楽に感じた
中国の研究者らによる2018年の報告(Int J Hyperthermia)は、16人の健康な男性を対象にした実験です。編集部が読んだのは要旨です。
ただし、どれも小規模で、サウナハットを測ったものではありません。頭を「冷やした」実験で、熱を通しにくい帽子を「かぶった」実験ではない点にも注意が要ります。ハットに同じような働きがあるかどうかは、これらの研究からはわかりません。
ハットそのものの効果|のぼせ・髪・素材の差
よく言われる話でも、裏づけのないものは効果として扱わない。それがこの記事の立場です。かぶると楽に感じる人がいることまでは否定しません。
サウナハットの素材の違い|ウール・フェルト・リネン・タオル地
素材について一般に言われること
- ウール・フェルト:厚手でしっかりした生地。乾くまで時間がかかるという声もある
- リネン(麻):薄手で軽い生地。さらっとした手ざわりを好む人もいる
- タオル地(綿など):家で洗いやすく、水を含ませて使う人もいる
金属の飾りや留め具に気をつける
家で洗えるかどうかも、素材の一般論より、それぞれの洗濯表示で見るほうが確実です。
サウナハットはタオルで代用できる?
タオルがハットと同じように働くかはわかりません。ただ、ハットそのものの効果は、前の章で見たとおり確かめられていません。ここからは編集部の提案ですが、まずタオルで試し、頭の熱さが楽に感じるかを見てから考えても遅くありません。
タオルで代用するときのコツ
編集部の提案|タオルを頭に使うとき
- 乾いたタオルを頭にのせるか、軽く巻く
- 耳まで覆うと、熱さがやわらぐと感じる人もいる
- 長い髪は、まとめてから覆う
- 体を拭く用とは分けておくと使いやすい
- 濡らして使うなら、サウナ室で絞ってよいかなど施設の決まりに従う
サウナハットの持ち込みと着用|施設のルールの確かめ方
消費者庁は、サウナの営業施設には利用者の見やすい場所に入浴上の注意事項が掲示されていることが多いとしています。そのルールを守り、安全に使うよう呼びかけています。資料では、掲示の例として次の項目を挙げています。
掲示されている注意事項の例(消費者庁の資料より)
- 我慢をするなど、無理なサウナ浴は控える
- コンタクト・メガネ・金属類を外す
- 可燃物や電子機器類を持ち込まない
- 段差に注意し、ベンチから飛び降りない
- サウナストーブや照明など、温度の高い部分に触れない

サウナハットの決まりの確かめ方(編集部の提案)
- 1
公式サイトの利用案内を見る
持ち物、貸し出しや販売、館内の決まりのページに目を通しておきます。
- 2
館内の掲示を見る
脱衣所やサウナ室の入口に、持ち込みや着用の決まりが書かれていないか見ます。
- 3
わからなければ受付で尋ねる
「サウナ室で帽子をかぶってもいいですか」と一言聞けば、すぐにわかります。
ロウリュの時間のマナー

サウナの知識
ロウリュとアウフグースとは|違いと、初めて受けるときのマナー
安全に使うために|ハットがあっても無理はしない
資料が注意を促しているのは、照明や出入口の扉の窓ガラス、金属製の装飾品やカギなど、高温になった部分によるやけどです。
同じ注意事項では、サウナを避けるべきときや、主治医に確かめてから使うべき人も挙げています。
注意
心臓の病気や高血圧で治療中の人、脳卒中のあとの人、妊娠中の人は、主治医に確かめてから利用します。持病が急に悪くなってきたときも、主治医に確かめてからにします。
入浴前と入浴後にはコップ1〜2杯、入浴中もこまめに水分をとります。サウナ室では下の段から座ります。
浴室に入る前に貴金属などの金属類は外し、ロッカーのカギは金属部分が肌に触れないようにします。サウナ室で体調に異変を感じたら、すぐに周囲の人や施設の従業員に知らせます(消費者庁の資料。早坂信哉教授の注意事項を含む)。
(以下は資料にはない、編集部の補足)
そのほか一般的な安全のために、ハットやタオルで頭が楽に感じても、入る時間は延ばさないようにします。
水分補給とお酒の注意

サウナの知識
サウナの水分補給|いつ何をどれだけ飲む?前後の食事とお酒の注意
よくある質問
Q. サウナハットは初心者にも必要ですか?
A. 必須ではありません。かぶるべきという公的な基準は見当たらず、効果の裏づけも限られています。頭の熱さが気になるなら、まずタオルで試してみるのも一つの方法です。
Q. サウナハットをかぶると、のぼせにくくなりますか?
A. ハットでのぼせにくくなるとは言えません。頭や顔を冷やすと暑さが楽に感じたという小規模な研究はありますが、ハットを測ったものではありません。かぶっていても無理はせず、下の段から座ります。
Q. サウナハットはタオルで代用できますか?
A. タオルを頭にのせたり巻いたりして使う人もいます。濡らして使う場合、サウナ室で絞ってよいかなどは施設の決まりに従います。タオルの持ち込みや扱いも、施設ごとに確かめておくと安心です。
Q. サウナハットの素材は何がいいですか?
A. 一般に、ウールやフェルトは厚手でしっかりした生地、リネンは薄手で軽い生地、タオル地は家で洗いやすいと言われます。どれもサウナの中で比べた話ではありません。洗濯表示と、熱くなりうる金属のパーツがないかを見ておくとよいでしょう。
Q. サウナハットを持ち込めない施設はありますか?
A. 持ち込みや着用の決まりは施設ごとに違います。公式サイトの利用案内、館内の掲示を見て、わからなければ受付で尋ねるのが確実です。
まとめ
迷うなら、まずタオルを1枚、頭にのせてみる。髪の奥にこもる熱がやわらぐか、耳のじりじりが静まるか、自分の感覚で確かめてみてください。施設の決まりを確かめ、下の段から、無理のない時間で。頭が楽でも、体の合図を優先することは変わりません。
参考文献
- サウナ浴での事故に注意 ― 体調に合わせて無理せず安全に ―(2024年6月5日。早坂信哉教授による注意事項、植田理彦「サウナ浴」(1988年。消費者庁が引用)の調査結果を含む。2026年10月31日閲覧)(消費者庁)
- Simmons SE, Saxby BK, McGlone FP, Jones DA. The effect of passive heating and head cooling on perception, cardiovascular function and cognitive performance in the heat. Eur J Appl Physiol. 2008;104(2):271-280(要旨。2026年10月31日閲覧)(PubMed)
- Simmons SE, Mündel T, Jones DA. The effects of passive heating and head-cooling on perception of exercise in the heat. Eur J Appl Physiol. 2008;104(2):281-288(要旨。2026年10月31日閲覧)(PubMed)
- Xue Y, et al. The effects of head-cooling on brain function during passive hyperthermia: an fMRI study. Int J Hyperthermia. 2018;34(7):1010-1019(要旨。2026年10月31日閲覧)(PubMed)




